離婚調停の初回で聞かれること

質問の順序や内容は裁判所と事案によって異なりますが、準備するときは次の五つに分けると整理しやすくなります。

1 離婚についての現在の考え

離婚を希望しているのか、条件が整えば応じるのか、まだ迷っているのかを整理します。「今は判断できない」ときは、その理由と、判断のために確認したいことを伝えます。気持ちを固めたふりをする必要はありません。

2 結婚生活と別居までの経緯

結婚時期、関係が悪くなった出来事、別居の有無と開始時期などを、年月順にまとめます。長い夫婦生活のすべてを一度に話すより、重要な出来事を三つ程度選び、それぞれ「いつ・何があったか・今の生活にどんな影響があるか」を説明できるようにすると伝えやすくなります。

覚えていない日付は、無理に断定せず「○年の春ごろ」として構いません。事実と自分の受け止めを分けて書いておくことも役立ちます。

3 子どもの現在の生活と今後の希望

子どもの年齢、同居している人、通園・通学先、日々の世話の分担、健康や生活上の配慮事項を整理します。親権、養育費、親子交流については、親の希望だけでなく、子どもの生活の安定と安全を具体的に考えましょう。

2026年10月時点では、離婚後の親権者を父母双方とするか一方とするかも検討事項になります。共同親権が自動的に選ばれるわけではありません。DVや虐待などの懸念がある場合は、具体的な事情を裁判所や弁護士に伝えてください。

4 収入と生活費、財産の状況

自分と相手の収入、毎月の生活費、預貯金、不動産、住宅ローンなど、把握できている範囲をまとめます。相手の資産が分からない場合は、「分かっているもの」と「確認できていないもの」を分けておきましょう。

別居中の生活費である婚姻費用は、離婚後の養育費とは別の問題です。生活費が支払われていないなら、離婚調停だけで対応できると思い込まず、婚姻費用分担調停の申立てが必要か、早めに確認してください。

5 希望する条件と優先順位

住まい、子どもの生活、養育費、財産分与、年金分割、慰謝料など、話し合いたい項目を書き出します。そのうえで、「優先して解決したいこと」「資料を見てから判断したいこと」「専門家に確認したいこと」に分けます。金額を希望する場合は、生活費の内訳や資料も用意すると、理由を説明しやすくなります。

初回期日の当日はどう進む?

一般には、裁判所からの案内に従って受付をし、指定された待合室で待機します。その後、調停委員から事情を聞かれ、相手の意向も踏まえて、今後話し合う事項を整理します。最後に、次回の日程や準備する資料などを確認します。

別々の待合室を使い、交互に話を聞く運用がありますが、手続の説明などで同席する場合もあります。「必ず一度も顔を合わせない」とは限りません。相手との接触に不安がある方は、期日当日まで待たず、担当書記官に具体的な事情を伝え、配慮を相談しましょう。

所要時間も裁判所や進行で異なります。約2時間を目安とする案内もありますが、手元の期日通知・案内を優先し、仕事や子どもの預け先は余裕をもって調整してください。

離婚調停の初回に持っていくもの

まず、裁判所から届いた書類を確認します。一般的な準備の目安は次のとおりです。

- 期日通知書と、裁判所から指定された持参物

- 申立書や回答書など、提出した書類の控え

- 筆記用具、予定表、話したいことをまとめたメモ

- 必要に応じて、源泉徴収票・確定申告書などの収入資料

- 必要に応じて、預金・不動産・ローンなどの財産資料

- 子どもの生活費や学費など、希望する条件の根拠になる資料

本人確認書類や印鑑などの要否、資料の提出時期・部数は、裁判所の指示を確認します。すべての資料がそろうまで何も相談できないわけではありません。不足している資料は一覧にし、入手方法や提出時期を確認してください。

初回までに作る 1枚の準備メモ

次の項目を、箇条書きでまとめてみてください。このメモはまず自分用に作り、提出するかどうかは別に判断します。

1. 現在の状況:同居・別居、子どもの暮らし、生活費の受領状況

2. これまでの経緯:重要な出来事と、おおよその時期

3. 今の希望:離婚についての考えと、話し合いたい条件

4. 急いで対応したいこと:生活費、住居、子どもの安全など

5. 確認したいこと:不足資料、次回までの課題、条件の意味

話しているうちに緊張したら、「メモを確認してからお答えしてよいですか」と伝えて構いません。相手の発言と認識が違うときは、人格を非難するのではなく、「私の認識では○年○月にこういう出来事がありました」と具体的に説明しましょう。

資料の住所や勤務先は提出前に確認する

調停に提出した書類は、相手が閲覧・コピーを求め、裁判所が認める場合があります。裁判所に提出するから必ず相手に見られない、とは考えないでください。

避難先の住所、勤務先、子どもの学校、口座情報など、知られると安全上の問題がある情報は、提出前に担当書記官や弁護士に相談します。非開示を希望する旨を記載しただけで、必ず非開示になるわけではありません。必要な手続やマスキングの方法を確認しましょう。

よくある質問

初回だけで離婚が決まりますか?

双方の合意や条件の整理状況によります。初回で決まることもあれば、資料をそろえて複数回話し合うこともあります。内容を理解できない条件は、そのまま了承せず、意味や影響を確認しましょう。

泣いたり、うまく話せなかったりすると不利ですか?

涙が出たことや言葉に詰まったことだけで、直ちに結論が決まるわけではありません。少し時間をもらい、メモを見ながら、伝えたい事実を一つずつ説明してください。体調や安全上の事情がある場合は、事前の相談も大切です。

弁護士がいなくても出席できますか?

本人だけで手続を進めることもできます。ただし、調停委員は中立の立場で話合いを進めるため、自分だけの代理人ではありません。財産の把握が難しい、条件の妥当性が分からない、相手への恐怖が強いといった場合は、期日前に弁護士へ相談しておくと、確認事項を整理できます。

初回までに全部を解決しようとしなくて大丈夫です

離婚調停の初回で大切なのは、現在の状況と希望、急いで対応したい問題を伝え、次に何を確認するかを明確にすることです。期日が近い方は、まず通知書を確認し、1枚のメモと必要資料の控えを準備するところから始めましょう。

条件の意味や提出する情報に不安がある場合は、合意や資料提出の前に個別に相談してください。

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- 別居中の生活費 婚姻費用の基本:https://watashi-rikon.jp/konin-hiyo.html

- 親権・親子交流:https://watashi-rikon.jp/shinken-menkai.html

- 離婚相談の受付:https://watashi-rikon.jp/index.html#contact

参考資料

- 裁判所 夫婦関係調整調停(離婚):https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_07_01/index.html

- 福岡家庭裁判所 夫婦関係調整調停(離婚):https://www.courts.go.jp/fukuoka/saiban/fuufu_rikon/index.html

- 千葉家庭裁判所 離婚調停を申し立てる方へ:https://www.courts.go.jp/chiba/vc-files/chiba/2025/syoshiki/huuhukankeirikonannai.pdf

- 宇都宮家庭裁判所 離婚調停を申し立てる方へ:https://www.courts.go.jp/utsunomiya/vc-files/utsunomiya/fc_tyoutei/fc-tyoutei-c01.pdf

本記事は2026年10月22日時点の一般的な情報です。必要な手続や判断は個別の事情で異なります。


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